1757年、サンキー運河が炭鉱町とマージー川をむすぶ
産業革命期のさいしょの運河
「サンキー運河(Sankey Canal)」は、イングランドに作られた最初の近代的な運河-あるいは産業革命期における最初の運河-であるといわれています。1757年に開かれ、マージー川沿いの町ウォリントン(Warrington)とパー(Parr)を結びました。
サンキー運河は議会での可決を経て、主に石炭を運ぶために建設されました。石炭をヘイドックコリーリー(Haydock Collieries)およびパー(Parr)で積載し、工業が栄えるリバプールまで運ぶことが目的でしたが、鉄鉱石とトウモロコシも重要な貨物でした。運河利用の当初の輸送費は1トンあたり10ペンスに設定されました。
サンキー運河は既存のサンキー小川を利用する案でしたが、実際にはこの小川は浅すぎ、また曲がりくねっており実用的ではありませんでした。このため、この小川に沿ってまったく新しい運河がひかれたそうです。

サンキー運河が開くまえは悪路を荷馬車が往来
リバプール(Liverpool)が工業都市として急成長するなか、この運河が建設される直前は、馬に荷を負わせたり荷車を引かせてコンディションの悪い道を往来していました。運河の建設によって、運河沿いの小さな村々(St Helens、 Haydock、 Newton le Willows、Widnes)もまた工業の町として成長することになりました。
1931年からおやすみ中
サンキー運河は「サンキー小運河/小川路(Sankey Brook Navigation)」または「聖ヘレンズ運河(St Helens Canal)」とも呼ばれます。時代をくだるにつれて拡張され(St Helens)から(River Mersey)も結びましたが、1931年から使用されなくなり1963年に閉鎖されました。これを復活させる試みが1985年から続けられています。

その他の有名な運河
近くにはより有名なブリッジウォーター運河(Bridgewater Canal)があり、こちらは1761年に開かれ、現在も使われています。また、イングランドで最も古い人工の水路はローマ時代に建設されたものです。リンカーン(Lincoln)からトレント川(Trent)を結ぶフォスダイク(Foss Dyke)は現在も使われています。また1566年に開かれたクセターシップ運河(Exeter Ship Canal)も、堰と水門を設けることで船舶が通れるようにした人工の水路のひとつです。
参考
Sankey Canal
History of the Sankey Canal
Sankey (St.Helens) Canal
Bridgewater Canal