このページは、13世紀のヨーロッパの服装【男性編】です。
13世紀ヨーロッパの服装の「概要」および「女性編」は下記リンク先を参照してください。
関連記事 13世紀のヨーロッパの服装【概要】
抜粋文:このページは、13世紀のヨーロッパの服装【概要】です。 13世紀ヨーロッパの服装の「男性編」および「女性編」は下記リンク先を参照してください。 目次 1. 地域.....
関連記事 13世紀のヨーロッパの服装【女性編】
抜粋文:このページは、13世紀のヨーロッパの服装【女性編】です。 13世紀ヨーロッパの服装の「概要」および「男性編」は下記リンク先を参照してください。 目次 1. 基本.....
基本
シャツ、チュニック、サーコート
男性は、シャツ( shirt )の上にチュニック( tunic )もしくはコット( cote / cotte )とサーコートの組み合わせを着用しました。
チュニックの着用例
サーコートの種類と発展
サーコート( surcoat )の一種に、シクラス( cyclas )というものがあります。長方形の布に頭を通すための穴を開けただけのものから始まり、やがて両サイドが縫い付けられるようになり、袖のない長いチュニックになりました。
このシクラスに、袖が縫い付けられたり、あるいはさらにフードが縫い付けられることもありました。こうなるとガナッシュ( ganache )あるいはガードコープ( gardcorps )という名称に変わります。
ガナッシュは、キャップスリーブと同色のフードがついているのが特徴です。ガードコープはたっぷりの長い袖がついた旅用のローブで、現代のアカデミックローブに似ています。
王族、貴族、上級聖職者
王侯貴族の男性は、ホースと呼ばれる長靴下 と 靴 と ヘッドドレス も着用しました。マント( mantle )はフォーマルな場で着用されました。王族の衣服は、上等な布地と、ふんだんに使われた毛皮が際立っていました。
髪の毛と髭は、適度な長さに整えられました。髪型は、いわゆるページボーイ( pageboy )スタイルが一般的だったようです。
靴の先端はやや尖った形をしており、王族や上級聖職者( clergy )のものは刺繍で飾られていました。
上流階級の服装例
労働者、農民
短いチュニック、長いブレイズ、ホース(長靴下)、ベレー帽もしくはコイフ、シャペロン
働く男性は、短めのコートもしくはチュニックを着用し、腰部分をベルトで絞りました。ベルトより下(スカート部分)にはスリットが入っていて、動きやすい造りになっていました。裾をまくり上げてベルトに留めることもありました。
働く男性は、長いブレイズ( braies )もしくは、様々の長さのレギンスを着用していました。作業中はチュニックなどの裾をまくり上げることも多かったので、これらが丸見えになることは、労働者階級においては普通だったようです。
ホースの履き口には紐がついており、ウエスト部分のベルトなどに結び付けて固定しました。
帽子には次のような種類がありました。
- コイフ( coif )…頭にフィットする白いかぶり物で、顎下で紐を結ぶ
- ベレー帽( beret )…現代のフレンチベレー帽に似ている
- 麦わら帽…畑仕事の際によく使われた
- シャペロン / フード( chaperon )…かぶり方によって印象のかわるかぶり物
ブレイズの着用例
フード / シャペロン の着用例
騎士
騎士の装備例
13世紀の騎士の装備の装着手順を動画で見ることができます。
ドイツ騎士団の装備例
13世紀のドイツ騎士の装備の装着手順を動画で見ることができます。
参考文献
- 1200 – 1300 in European fashion
- last edited on 1 January 2-023, at 12:47 (UTC)
- Medieval Costume in England and France: The 13th, 14th and 15th Centuries
- Dover Publications (2012/8/28)
- History of Costume and Styles I
- THE 331 L. M. Lowell