イングランドの貴族階級(ピアレッジ / Peerage)のなりたち

イングランドの貴族階級(ピアレッジ / Peerage)のなりたち

概要

貴族階級とは、国王から「公爵・侯爵・伯爵・子爵・男爵」の称号を授けられた人々を指します。世襲制です。なお、一代限りの貴族(baron)の制定は20世紀(1958)です。

The House of Lords (old chamber, burned down in 1834) as drawn by Augustus Pugin and Thomas Rowlandson for Ackermann’s Microcosm of London (1808–1811).

略史

ウィリアム征服王がイングランドを征服した時(1066)、イングランドを荘園(マナー / manors)単位に分割しました。これが、のちに男爵領(バロン / barons)として知られるようになります。

より多くの荘園を所有するものは「大男爵(大バロン / Greater Barons)」として知られ、より少ない荘園を所有するものは「小男爵(小バロン / Lesser Barons)」として知られるようになりました。

王が男爵を王立評議会に召喚するとき、大男爵は国王(Sovereign)から個別に召喚されるいっぽう、小男爵は州長(シェリフ / sheriff)を通じて召喚されました。1254年からは小男爵が召喚されなくなるいっぽうで、大男爵の召喚は「貴族院(House of Lords)」に発展します。これは必然的に世襲制となり、14世紀の初めには世襲制が確固なものとなりました。

「男爵」と「伯爵」の制定年は封建制時代、アングロサクソン時代(9世紀~10世紀)まで遡ります。「公爵」と「侯爵」は14世紀に制定され、「子爵」は15世紀に制定されました。

14世紀末、この権利(称号 / 爵位)は法令により認められ、長子相続制(primogeniture)によって所領と共に世襲制となりました。

称号の前に「第〇代」と付加されているのを見れば、その家系が何世代前に称号を授かったかがわかります。複数の称号をもつこともあります。

貴族階級の制定

公爵(Duke)

1337年制定。語源はラテン語でリーダーを意味する「dux」。

侯爵(Marquess)

1385年制定。語源はフランス語のち英語で「境界」を意味する「marches」(イングランド、スコットランド、ウェールズの境界)。

伯爵(Earl)

9世紀~10世紀に制定(推定)。語源は旧英語で軍事リーダーを意味する「eorl」。ノルマンコンクエスト(1066)以前のアングロサクソン時代から存在したランク。

子爵(Viscount)

1440年制定。語源はラテン語で準伯爵を意味する「vicecomes」。

男爵(Baron)

1066年制定。語源はゲルマン語で自由人を意味する「baro」。

参考
Peerages in the United Kingdom
Peerage of Great Britain
Peerage of England
House of Lords
History of the British peerage