このページは、12世紀のヨーロッパの服装【男性編】です。
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下着 / 肌着
チェニックとブレイズの組み合わせ
下着/肌着は、インナーチェニックまたはタイトな長袖のシャツおよび、猿股のようなパンツ( drawers/braies/ブレイズ )で構成されました。布地はリネンであることが多かったようです。
長靴下
ショース / ホース
ショース( chausses )あるいはホース( hose )と呼ばれる、脚を覆う衣類( leggings )は、靴下のように片足ずつに分かれていました。チュニックとセットで着用されることの多い衣類です。
12世紀頃の中上流階級は、より脚のかたちにフィットした膝上丈のホースを着用するようになりました。このホースは、短いブレイズ(猿股)と組み合わせて履くことができました。ホースの上部は大きめに作られており、ブレイズの裾をしまい込むことができました。紐でガードルもしくはブレイズのベルトに取り付けて着用します。
かつてのホースは緩く短かかったため、バンドを用いて留める必要がありました。イングランドでは、階級を問わず、12世紀末頃までバンドが着用されることがありました。13世紀にはいると、このバンドはほぼ見られなくなります。
外衣
チュニック( tunic )
下着のチュニックの上には、外衣のチュニックを着用します。外衣のチュニックは、膝丈もしくはくるぶし丈で、いずれもウエストをベルトを締めて着用しました。
ブリオー( bliaut )
フランス発のファッションであるブリオーは、肩から肘にかけては従来のチュニックの袖とおなじかややタイトな作りですが、肘から袖先にかけてラッパ状に広がるようデザインされた衣服です。男性のブリオーは、スカートの前面と背面あるいは左右にスリットが入っていました。
ダブリット( doublet )
この時代の男性の衣服として新しく登場するものに、2層のリネンで作られたダブリット( doublet )※があります。
※14世紀~17世紀にポピュラーになるダブリット( doublet )とは異なる
シュールコー / サーコート( surcoat )
シュールコー( surcoat )は、鎖かたびらを太陽光から守るカバー的なものとして着用されたのが始まりです。第一回十字軍遠征( Crusades )を機に導入され、やがて一般人の服装にも採り入れられるようになりました。

出典 Wikimedia Commons
外套
長方形あるいは丸いカットのクロークを、チュニックの上に羽織りました。右肩あるいは正面でピン留めして着用しました。
かぶり物
上流階級の男性は、あまり帽子をかぶりませんでした。
シャペロン、コイフ、つば付き帽子
この時代は、おもに田舎の下層階級が頭巾状のシャペロン( chaperon )をかぶっていました。
リネン製のコイフ( coif )は、12世紀末に現れ始めます。

出典 Wikimedia Commons
つばのついた丸~やや楕円形の帽子もあり、麦わら製のものは夏の畑仕事などの際に着用されました。
12世紀の「騎士」の装備例
参考文献
- History of Western fashion
- last edited on 1 January 2023, at 12:47 (UTC)
- Medieval Costume in England and France: The 13th, 14th and 15th Centuries
- Dover Publications (2012/8/28)


