このページは、13世紀のヨーロッパの服装【概要】です。
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地域差なくシンプル
一般民の服装は3~4世紀前とほぼ変わらず
13世紀のヨーロッパの服装は、まだシンプルで地域差もほとんどありませんでした。男性の衣類も女性の衣類も基本構造はほぼおなじで、はっきりとした違いが見られるようになるまでにはまだ時間がかかります。
富裕層をのぞいて、一般民の服装は3~4世紀前と比べておおきな変化はありません。肌着の上にチュニックを着用し、ウエストをベルトで締めます。防寒にはサーコートやマントを様々なスタイルで羽織りました。
次の画像の右端の男性はガードコープ( gardcorp )を着ています。となりの男性がかぶっているのはユダヤ帽( Jewish hat )です。女性はそれぞれリネンのウィンプル( Wimple )と、ヘッドドレスで髪を隠しています。
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履き物
木靴や、先端の尖った革靴
中世を代表するような「先の尖った靴」は13世紀頃から見られ始めます。ただし、まだ14世紀のものほど尖ってはいません。上流社会の男性の靴は甲の部分が開いているものが一般的でした。
一般人も、靴下の底に皮革を縫い付けたものや木靴を履いていました。
ユダヤ人
強制された帽子とイエローバッジ
1215年にイノケンティウス3世によって招集された第4ラテラン公会議( Fourth Council of the Lateran )で、ユダヤ教徒とイスラム教徒にはそれと分かる服装を強制することが決まりました。
これまでにユダヤ人がかぶっていた帽子(いわゆる Jewish hat )は、彼らの伝統的な服装のひとつにすぎませんでしたが、以後のヨーロッパにおいて、着用が求められるようになりました。
イエローバッジ( Yellow badge )※の着用が求められ始めたのも13世紀頃とされています。
※イエローバッジ…中世のイスラム帝国や、中世から近世近代に至るヨーロッパにおいて、ユダヤ人に着用が求められたバッジ(記章)。
1267年のブレスラウ( Breslau / Wrocław)では、ユダヤ人伝統の尖った帽子(下図)の着用が法で義務化されました。
娼婦、売春婦
縞模様のマントやフードの着用を強制
13世紀に発布された奢侈禁止令(しゃしきんしれい / Sumptuary laws )※には、娼婦や売春婦に対する服装の制限も盛り込まれていました。マルセイユでは縞模様のマントの着用が求められ、イングランドでは縞模様のフードの着用が求められました。時代を下るとこれらの規制はいくぶん緩和され、見分けがつくバンドを腕または肩に着用する、あるいはそれと分かるタッセルを腕につける程度になりました。15世紀頃には、娼婦の主だった都市フィレンツェやベニスにおいて、またパリにおいても、こうした服装の強制は見られなくなったようです。
※奢侈禁止令…贅沢(奢侈)を禁止して倹約を推奨・強制するための法令および命令の一群。
服装に関するこのような要求や義務化は、都市人口の増加に対する懸念や、ヨーロッパ広域への教会権力の強化の表れだと考えられています。
中世の染色
13世紀のヨーロッパの衣服の発展について特筆すべきは、ウールの染色技術です。ウールは外衣に用いられる主要な素材でした。富裕層にとって「色」は、素材と並んで重要なポイントでした。なかでも「青」はフランス国王( Kings of France )の紋章の色にも採用されているように、とてもファッショナブルな色でした。
次の動画は、長い中世におけるどの時代かの明言はありませんが、基本的な染色のプロセスがわかります。
次のウェブサイトで、染め物に使われた材料などの一覧を見ることができます。
外部リンク Medieval Dyestuffs, Dyeing & Colour Names
抜粋文:Natural dyes came from various sources, the most common ones are listed below:
参考文献
- 1200–1300 in European fashion
- last edited on 1 January 2023, at 12:47 (UTC)
- Medieval Costume in England and France: The 13th, 14th and 15th Centuries
- Dover Publications (2012/8/28)
Category:Fashion by century
https://commons.wikimedia.org/wiki/Category:Fashion_by_century