このページは、12世紀のヨーロッパの服装【概要】です。
12世紀ヨーロッパの服装の「男性編」および「女性編」は下記リンク先を参照してください。
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抜粋文:このページは、12世紀のヨーロッパの服装【男性編】です。 12世紀ヨーロッパの服装の「概要」および「女性編」は下記リンク先を参照してください。 目次 1. 下着.....
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基本はチュニック
おおむね、かつてと同じ構造
12世紀のヨーロッパの服装は、かつての服装と比べて細部に変化が見られるものの、基本的な構造は数世紀前のものと変わりません。
一般男性は動きやすさの点から膝丈のチュニック( tunics )を着用しましたが、上流階級は丈の長いチュニックを着用し、長靴下( hose )やマント( mantle )やクローク( cloaks )も用いて身なりを整えました。
女性は丈の長いチュニックもしくは、ガウン( gowns )を着用しました。
総じて男女ともに、身体のラインに沿った衣服やフレアがついた袖などは、上流階級を特徴づける服装です。

出典 Wikimedia Commons

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男性服に見られる2つのスタイル
膝丈 VS くるぶし丈
前世紀同様に、男性の服装は大きく分けて二つのスタイルがありました。
- 膝丈のチュニック
…ローマ時代の日常生活スタイルおよび、侵入/移住/流入してきた民族※の衣服の融合 - くるぶし丈のチュニック
…ローマ時代の貴族層の服装の名残りおよびビザンティウムの影響
※侵入/移住/流入してきた民族…民族大移動時代(300~700/800年頃)

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フランス発のファッション:ブリオー
袖口のフレアが特徴的
ブリオー( bliaut )と呼ばれるフランス発の新しいファッションでは、外衣のチュニックはくるぶしもしくは床に届く長さで、袖は肘にフィットして手首に向かってラッパ状に開くフレアを伴いました。初期のブリオーは比較的ゆったりめでウエスト部分に余裕がありましたが、後期のブリオーは腰からお尻にかけてピッタリとフィットするものに変わりました。

出典 Wikimedia Commons

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生地・素材・装飾
ウール、リネン、シルク、リスの毛皮
ウールはすべての身分階級において主流のファブリックでした。
リネンは肌触りがウールよりも快適なので、おもに下着類に用いられるようになりました。リネンは洗濯や、日光による漂白も可能でした。
シルクは非常に高価なものでしたが、裕福な人々にとっては入手しやすい品でした。ビザンティウム( Byzantium )からのシルクはベニス経由パヴィア( Pavia )での交易によって、またアンダルシアのシルクはスペイン経由でフランスに届きました。11世紀の末、ノルマン人のシチリア島征服( Norman conquest of southern Italy, 999 – 1139 )や、第一回従軍遠征( 1096–1099 )によって、新たなルートが開かれたことで東国のファブリックとスタイルがヨーロッパに流入しやすくなりました。
毛皮は保温のために、衣服の裏地として利用されました。リスの毛皮( Vair )がとくにポピュラーだったようで、装飾写本( illuminated manuscript )の挿絵によく見られます※。
※リスの毛皮の挿絵…白と青みがかったグレーのやわらかな縞柄、あるいは富裕層が着用するマントの内側に描かれているチェッカー柄が、リスの毛皮。
現存する12世紀の衣類
現存する衣類を参考に12世紀の服装について解説している Youtube 番組を見つけたので貼っておきます。靴・アクセサリー・宝石類そして男女のヘアスタイル、富裕層から貧困層および正装から日常の衣服までを網羅した解説です。
参考文献
- Medieval Costume in England and France: The 13th, 14th and 15th Centuries
- Dover Publications (2012/8/28)
- 1100–1200 in European fashion
- last edited on 7 February 2023, at 21:18 (UTC)


