アングロサクソン人が「大異教軍」と呼んだこの軍団は、871年にスカンジナビアから到来した「大夏軍」によってさらに増強されました。そしてこののち10年以内に、アングロサクソン人の王国のほとんどが、この侵略者によって陥落させられるのです。867年にノーザンブリア王国が陥落、869年にイーストアングリア王国が陥落、874年~77年にかけてマーシア王国の大部分が侵略されました。王国、学舎、所蔵物、教会が、デーン人の猛攻撃によって崩壊しました。
793年にバイキングの襲撃があったことが「アングロサクソン年代記」に記録されています。バイキングはリンディスファーン修道院を襲い、修道僧を殺し貴重品や金品を奪いました。この襲撃は「バイキングの侵略」の始まりとして位置付けられています。
795年、ちいさなバイキング集団がアイルランドの沿岸に位置する修道院への襲撃をはじめました。彼らは840年からロングフォア(longphorts)と呼ばれる要塞を沿岸に築きはじめ、アイルランドで越冬するようになりました。
ブリテン諸島のバイキング時代は、793年に始まったとされるのが一般的です。これは「アングロサクソン年代記」に記された「リンディスファーン修道院の襲撃」の年に基づいています。現フランスのノルマンディ(Normandy)として知られる地方は、このノースマンらが徐々に侵略し定住するようになった地域です。リューリクなる人物は東へ遠征し、859年にノヴゴロド(Novgorod / Novgorod)に王朝を建てたとされています。
バイキングの襲撃によって839年にピクト人の王国が陥落、870年にブリトン人の要塞も陥落します。続く300年の間に、ゲール語族、ピクト人、ブリトン人、そしてアングロ人の諸王国が統一され、アルバ王国が始まり最終的にスコットランド王国として発展してゆきます。