産業革命の幕開け-ジョン・ケイが発明した「飛び杼」

産業革命の幕開け-ジョン・ケイが発明した「飛び杼」
       
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産業革命のはじまりと発展

産業革命(Industrial Revolution)は世界史の中でもっとも重要な出来事のひとつです。今日の世界につながる大きな影響を与えています。産業革命は18世紀のイギリスではじまり、またたくまにヨーロッパ大陸そして北アメリカへと広がりました。

経済発展の初期は「家内工業」

この革新が起こる以前のものづくりは、そのほとんどを水・風・人力に頼っていました。経済発展の初期に見られた家庭ベースの小さなビジネスは「家内工業(Cottage industries)」と呼ばれます。生産できる量は限られていましたし、品物は地元や近隣で消費されるものでした。

18世紀の中頃から「工業化」がすすむ

しかし18世紀も半ばになると、新しい手法が開発・導入され、イギリスそしてヨーロッパに広がります。この変化の過程で「工業化」が進みました。ある町や市に専用の工場が集約され、工業都市と呼ばれるようになります。こうした変化は19世紀を通じて続き、多くの発明家たちが次々と発展に貢献しました。これまで手動で行っていたことが機械化されたことは、産業革命の重要な要素のひとつです。

従来の手織り機を改良-ジョン・ケイの発明

産業革命において大きな発展を遂げた産業のひとつが織物業/繊維産業です。時代がくだるごとに新しい世代が新しい発明をし、改良を重ねました。ジョン・ケイの飛び杼はその”最初”に数えられています。

“John Kay, Inventor of the Fly Shuttle A.D. 1753” by Ford Madox Brown, a mural at Manchester Town Hall.

産業革命のはじまりを代表する革新

1733年、ジョン・ケイ(John Kay)によって飛び杼(Flying shuttle)が発明されました。これは従来の手織り機に改良をくわえたもので、格段に効率があがりました。また一人で操作できるため、少ない労働者で生産できるようになりました。

Flying shuttle showing metal capped ends, wheels, and a pirn of weft thread

ジョン・ケイによるこの発明は、近世における生産性を大はばに向上させた”最初”の発明と考えられています。ジョン・ケイはこれを「車輪付き下糸入れ(wheeled shuttle)」と名付けましたが、このスピードに驚いた人々が「飛ぶ下糸入れ(fly-shuttle / flying shuttle)」と呼ぶようになりました。

動画:ジョン・ケイ発明の飛び杼

ジョン・ケイが発明した飛び杼を用いた手織り機のデモンストレーション動画です。

1733年に特許を取得したジョン・ケイの飛び杼はその後も改良が続けられ、1750年代に広く普及しました。


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参考
John Kay (flying shuttle)
Flying shuttle
FLYING SHUTTLE INVENTION IN THE INDUSTRIAL REVOLUTION
Flying shuttle | Britannica


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