カントリーハウス【サウスイースト編】
       

このページは、カントリーハウス【サウスイースト編】です。

関連記事カントリーハウス:マナーハウス や タウンハウス との違いは?
抜粋文:そもそも「カントリーハウス」という言葉は、ロンドンなどの都市部に建つ「タウンハウス」に対比する言葉として使われ始めたそうです。裕福な貴族やジェントリは、所有する.....

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ブレナム宮殿

Blenheim Palace

ブレナム宮殿
出典 Wikimedia Commons

大部分が一般公開されています。

ブレナム宮殿はチャーチル家の拠点であるとともに、霊廟( mausoleum )でもあり、国定モニュメント( monument )でもあるユニークな建造物です。第二次大戦中に首相を務めたウィンストン・チャーチル( Sir Winston Churchill )の祖先の生家でもあります。

ジョン・チャーチル(1705頃)
出典 Wikimedia Commons
グランドサロン(1918)
出典 Wikimedia Commons
西側のファサード
出典 Wikimedia Commons

ブレナム宮殿の名は、1704年の「ブレンハイムの戦い( Battle of Blenheim )」にちなんでいます。スペイン継承戦争( War of the Spanish Succession )に係る一連の戦いで活躍した初代マールバラ公爵ジョン・チャーチル( 1st Duke of Marlborough )に土地が贈られ、アン女王( Queen Anne )からの資金提供を受けて1705年に宮殿の建築がはじまりました。

しかし間もなく、これらが引き金となって、政治的な内紛が起こりました。

さらに1712年にはマールバラ公爵夫人とアン女王が不仲になった影響で王室からの資金援助がなくなり、公爵自身も一時、自ら大陸に身を隠しました。こうした出来事は、ブレナム宮殿の建築を手がけたジョン・ヴァンブラ( Sir John Vanbrugh )の評判にも多大なダメージを与えてしまいました。

ブレナム宮殿のパノラマ
出典 Wikimedia Commons
A Walk Through Blenheim Palace
Michael Jiroch

基本情報とお役立ちリンク

種類パワーハウス
Power houses
スタイルバロック建築(イギリスバロック様式)
Baroque ( English Baroque )
建築開始1705
所有者第12代マールバラ公爵(2023年現在)
12th Duke of Marlborough
所在地Woodstock OX20 1PP, United Kingdom
ウェブサイトhttps://www.blenheimpalace.com/
1705
-1722
ブレナム宮殿の建築
~現在チャーチル家の拠点として管理・維持される
19世紀
第9代マールバラ公爵がアメリカの大富豪の娘コンスエロ・ヴァンダービルトと結婚
その持参金によって経済的危機を乗り切りブレナム宮殿を維持
9th Duke of Marlborough | Consuelo Vanderbilt.
1987ユネスコ世界遺産に指定される
UNESCO | World Heritage Site

関連記事アン女王(Anne Stuart)
抜粋文:アン女王はステュアート王家最後の君主です。ジェームス2世の次女ですが、イングランド国教会を信仰するプロテスタント派です。メアリ2世の王配であったウィリアム3世の.....

外部リンクBlenheim Palace
抜粋文:a country house in Woodstock, Oxfordshire, England. It is the seat of the Dukes of Marlborough and the only non-royal, non-episcopal country house in England to hold the title of palace.

外部リンク【2019年1月5日】ブレナム宮殿 Cinderella's Fairy Tale Palace イベント【その1】
抜粋文:木曜に見た映画「女王陛下のお気に入り」の中で、アン女王がモールバラ公ジョン・チャーチルに贈ったブレナム宮殿へ行ってみることに。ブレナム宮殿は冬季も開館していて、ロンドンからも遠くないのでこのホリデーのうちに訪れることにしました。

ハイクレア・カースル

Highclere Castle

ハイクレア・カースル
出典 Wikimedia Commons

ハイクレア城は イギリス指定建造物グレードI に登録されているカントリーハウスです。

お屋敷、エジプトコレクション展、そして庭園が一般公開されています。夏シーズンのほか、クリスマスやイースターなどの特別日に見学することが可能です。このほかチケット制のイベントや、特別なガイドツアーが開催されることもあります。これらの正確な情報は、公式サイトで得ることができます。

外部リンクハイクレア・カースル公式サイト
抜粋文:Tickets can be found on our ticketing website and, we ask that you book in advance of your visit. For further useful information about visiting Highclere please click here.

1679年以前のハイクレアハウス
出典 Wikimedia Commons

現在は、ハーバート家の支流であるカーナーヴォン伯爵( Earls of Carnarvon )が所有しています。

Downton Abbey: What You Didn’t Know About The Shooting Place
DW Euromaxx

基本情報とお役立ちリンク

種類パワーハウス
Power houses
スタイルネオルネッサンス建築
Renaissance Revival ( Jacobethan )
建築開始1679
所有者ハーバート家の支流
Herbert family
所在地Highclere Park, Highclere, Newbury RG20 9RN
ウェブサイトhttps://www.highclerecastle.co.uk/
1679旧豪邸を購入したロバート・ソーヤーが屋敷を建て替える
Sir Robert Sawyer
18
世紀
キャパビリティ・ブラウンによる庭園の設計
Capability Brown 
1840大規模なリノベーションが行われる

ハイクレア城はテレビドラマの撮影に何度か使われたことのあるお屋敷です。19世紀末から20世紀初頭を描いた2010年代のTVドラマ「ダウントンアビー( Downton Abbey )」や、1990年代のコメディシリーズ「ジーブスとウースター( Jeeves and Wooster )」の撮影に使われました。

外部リンクHighclere Castle
抜粋文:Highclere Castle is a Grade I listed country house built in 1679 and largely renovated in the 1840s, with a park designed by Capability Brown in the 18th century.

外部リンクHighclere castle
抜粋文:今回は Highclere Castle です。ハイクレアキャッスルと聞いてもピンと来ない方は多いかもしれませんが、ここは 皆さんご存知 「ダウントンアビー」 の撮影が行われた場所

ネザー ウィンチェンドン ハウス

Nether Winchendon House

敷地内の登録されている建物(1319088)
出典 Wikimedia Commons

ネザー ウィンチェンドンハウスは、バッキンガムシャー( Buckinghamshire )のアリスベリー ベール( Aylesbury Vale )にあるマナーハウスです。

建物はグレードI として登録( listed building )されており、インテリアにも定評があります。

この屋敷と庭園は一般公開されており、見学のほか、ウェディングにも利用できます。

Village Nether Winchendon, Buckinghamshire, England from Travel with Iva Jasperson
Iva Jasperson

基本情報と参考リンク

種類マイナーカントリーハウス
Minor country houses
スタイル混合建築:中世、ルネッサンス、新古典主義、ネオゴシック
Medieval ( Early English Gothic )
Renaissance ( Tudor / Jacobean )
Neoclassical ( Georgian )
Gothic Revival
建築開始中世
所有者Robert Spencer Bernard
祖先:Sir Francis Bernard, 1st Baronet
所在地Nether Winchendon, Aylesbury HP18 0DY, United Kingdom
ウェブサイトhttps://www.nwhouse.co.uk/
1086この地に建造物があったことが「ドームズディブック」に記録されている
16
世紀
元アウグスチノ派修道院の建物をベッドフォード公爵が買い取り、大規模な改築を行う
Augustinian | priory | Jasper Tudor ( Duke of Bedford )
1771直系の継承者がなかったため、親せきにあたる初代准男爵フランシス・バーナードが相続
Sir Francis Bernard, 1st Baronet

ネザー ウィンチェンドン ハウスは撮影にも使われています。イギリスで2007年に放映されたアガサ・クリスティー小説のマープル シリーズでは「無実はさいなむ( Ordeal by Innocence )」の回のロケ地となりました。1990年代のシチュエーション・コメディ「 シェフ( Chef! ) 」でも撮影に使われたことがあります。2020年公開の映画「不都合な理想の夫婦( The Nest )」にも登場しています。

外部リンクNether Winchendon House
抜粋文:It was built on the site of an Augustinian priory that was a daughter house of Notley Abbey in Long Crendon. Jasper Tudor, Duke of Bedford bought and largely remodelled the priory in the 16th century.

外部リンクNether Winchendon House | Pinterest
抜粋文:Nether Winchendon House is timelessly enchanting and fabulous. This venue is absolutely unique and perfect for a truly romantic day and wonderful photographs.

YouTubeAgatha Christie's Marple S03E02 - Ordeal by Innocence / full episode | MurderMysteries
抜粋文:Agatha Christie's Marple S03E02 - Ordeal by Innocence / full episode

ロイヤル・パビリオン

Royal Pavilion

ロイヤルパビリオン
出典 Wikimedia Commons

18世紀末に建築が始まった宮殿です。王太子ジョージ(のちのジョージ4世)のために、3段階にわたる大規模な建築が行われました。

現在見られる宮殿は、19世紀のインドで流行していた「インドサラセン建築( Indo-Saracenic )」という建築様式で建てられています。

かつてはロイヤルファミリーの居所&リゾートでしたが、1850年にブライトン市( Brighton )が買い取って以来、旅行客を惹きつけるアトラクション施設となっています。立派な庭園に囲まれており、グレードIのイギリス指定建造物( Grade I listed )として登録されています。

音楽堂のドーム
出典 Wikimedia Commons
庭園の遊歩道
出典 Wikimedia Commons
第一次大戦中の病床
出典 Wikimedia Commons

年間およそ40万人の観光客がロイヤルパビリオンを訪れています。ロイヤルパビリオン内は写真撮影も許可されています。

Introduction to the Royal Pavilion
Royal Pavilion & Museums Trust

基本情報と参考リンク

種類パワーハウス
Power houses
スタイルインドサラセン建築
Indo-Saracenic architecture
建築開始1787
所有者Royal Pavilion & Museums Trust
所在地4/5 Pavilion Buildings, Brighton BN1 1EE
ウェブサイトhttps://brightonmuseums.org.uk/visit/royal-pavilion-garden/
1787王太子ジョージ(のちの4世)のために3段階におよぶ建築が始まる
George, Prince of Wales
1815建築家ジョン・ナッシュが宮殿の拡張を開始
ドームと尖塔をもつ現在のパビリオンの姿になる
John Nash
19
世紀
ジョージ4世の後継者ウィリアム4世およびビクトリア女王もこのパビリオンを使用
William IV | Victoria
1850ビクトリア女王の治世に、ブライトン市がロイヤルパビリオンを買い取る
2020
.10
管理組織が「 Brighton & Hove City Council 」から「 the Royal Pavilion & Museums Trust 」に移行
Brighton & Hove City Council | the Royal Pavilion & Museums Trust

18世紀末~19世紀初頭の芸術の庇護者ジョージ4世については、次の書籍がおすすめです。

関連記事ジョージ4世(George Augustus Frederick)
抜粋文:「ヨーロッパいちの紳士( First Gentleman of Europe )」としても知られるジョージ4世は、芸術や建築の良き保護者でした。しかし、私生活は.....

外部リンクRoyal Pavilion
抜粋文:The Royal Pavilion, and surrounding gardens, also known as the Brighton Pavilion, is a Grade I listed former royal residence located in Brighton, England. Beginning in 1787, it was built in three stages as a seaside retreat for George, Prince of Wales, who became the Prince Regent in 1811, and King George IV in 1820.

YouTube160. イギリスらしくない建築!?ロイヤルパビリオン
抜粋文:Royal Pavilion / Brighton【ロンドン/街歩き】

スタンデン

Standen House and Garden

スタンデンハウス
出典 Wikimedia Commons

スタンデンハウスはアーツ・アンド・クラフツを代表する建造物のひとつです。現在は、ナショナルトラスト( National Trust )が管理しています。

※アーツ・アンド・クラフツ運動(Arts and Crafts Movement)は、イギリスの詩人、思想家、デザイナーであるウィリアム・モリス(1834年-1896年)が主導したデザイン運動。美術工芸運動ともいう。1880年代から始まった。

このお屋敷は、ウェストサセックスイースト グリンステッド( East Grinstead )に建っており、周囲の庭園とともに一般公開されています。ウェルデン地方の建築様式で建てられていて、建材の砂岩や煉瓦は、敷地内で採れたものや地元で作られたものです。

19世紀末に建てられたこのお屋敷は、建築当初から電気が備わっていました。ドンキーエンジンあるいはスチームドンキー( Steam donkey )と呼ばれる産業革命期の発電設備を小屋に備え、発電していました。W. A. S. ベンソンによってデザインされた当時の電灯を、今も見ることができます。

Inside Standen House: William Morris | HENI Talks ‘Perspectives’
HENI Talks

基本情報とお役立ちリンク

種類Minor country houses Victorian houses
スタイルウェルデン地方の建築様式
アーツ・アンド・クラフツ様式
Wealden vernacular style | Arts and Crafts
建築開始1892
所有者National Trust
所在地W Hoathly Rd, East Grinstead RH19 4NE
ウェブサイトhttps://www.nationaltrust.org.uk/visit/sussex/standen-house-and-garden
1891

1894
建築家フィリップ・ウェッブが手掛ける
発注者はロンドンの裕福な弁護士ジェームズ・ビール一家
Philip Webb | William Morris | James & Margaret Beale
1912
主の死後、奥方、未婚の娘、未婚の末娘の順に相続される
1972末娘の死にともない、ナショナルトラストがスタンデンハウスを引き取る
大はばな修復が必要な状態だったので、最初の管理人アーサー・グローガンが尽力

スタンデンハウスのカーペットや壁紙、家具などのインテリアには、ウィリアム・モリス( William Morris )の作品がつかわれています。このお屋敷を設計した建築家フィリップ・ウェッブ( Philip Webb )は、ウィリアム・モリスの友人でした。

外部リンクStanden House and Garden
抜粋文:Between 1891 and 1894 architect Philip Webb, who was a friend of William Morris, designed the house for a prosperous London solicitor, James Beale, his wife Margaret, and their family of seven children.

スタントン・ハーコート

Stanton Harcourt

スタントン・ハーコート
マナーハウスとキッチン
出典 Wikimedia Commons

スタントン・ハーコートは、オックスフォードシャー( Oxfordshire )にある人口およそ900人の村です。コッツウォルズ地方の村のひとつで、青銅器時代から集落があり、考古学的な価値の高い村です。

村は自由に散策できますが、残念ながらマナーハウスは現在、一般公開されていないようです。

ハーコートハウスは16世紀の建造物ですが、基礎となる建物は中世から存在しました。イギリス指定建造物グレードIIに登録されています。敷地内には15世紀に改装されたと考えられる別棟のキッチンがあり、さらに南にはファームハウスがあり、こちらはいずれもグレードIとして登録されています。

敷地内には「ポープの塔」という名の塔があり、18世紀初頭に詩人アレクサンダー・ポープ( Alexander Pope )がここに滞在したことに由来すると考えられています。

スタントンという名称は古英語で「石の近くの農場」を意味するそうで、村の南西にある先史時代のストーンサークル「悪魔の輪投げ( Devil’s Quoits )」に由来していると考えられています。

この場所にマナー(荘園)があったことは、ドームズディブックにも載っており、当時の持ち主はバイユー司教のオド( Odo )と記録されています。1191年にロバート・デ・ハーコート( Robert de Harcourt)が義父からこの地を相続して以来、ハーコートと呼ばれるようになりました。

※1086年に編纂された大規模な土地台帳

基本情報とお役立ちリンク

種類マイナーカントリーハウス
Minor country houses
スタイル中世建築、およびルネッサンス?
MedievalNorman )
Renaissance ?
建築開始中世
所有者Gascoigne family
所在地17 Main Rd, Stanton Harcourt, Witney OX29 5RJ
ウェブサイトhttps://www.cotswolds.com/plan-your-trip/towns-and-villages/stanton-harcourt-p2095253
1086ドームズデーブックに記録あり
1191ロバート・デ・ハーコートが義父から荘園とマナーハウスを取得
1470ポープの塔が建てられる (建築技師はおそらくウィリアム・オーチャード)
William Orchard
1485キッチンが増設される
1540ゲートハウスが増築される
1717詩人アレクサンダー・ポープが滞在
Alexander Pope
1750ハーコート一家が去り、中世建築の大部分が解体される

イギリスで人気の高い観光地のひとつ「コッツウォルズ」について、いろんな側面から深く知りたい方には次の書籍がお薦めです。

外部リンクStanton Harcourt
抜粋文:SHarcourt House was built for the Harcourt family in the 15th and mid-16th centuries, and its gatehouse was added about 1540. Harcourt House is a Grade II* listed building.

外部リンクStanton Harcourt Manor House
抜粋文:Stanton Harcourt was originally built as an early unfortified manor house; most of the medieval house was demolished circa 1750 when the Harcourt family moved to Nuneham House.

外部リンクコッツウォルズ
抜粋文:コッツウォルズはグロスターシャーで最も面積が広く、サマセット州、オックスフォードシャー、ウィルトシャー、ウォリックシャー、ウスターシャーの各州にまたがる。コッツウォルズは「羊の丘」という意味。

ストウ ハウス

Stowe House

ストウハウス
南側のファサード
(ロバートアダムの設計)
出典 Wikimedia Commons

ストウハウスはイギリス指定建造物グレードIに登録されているカントリーハウスです。バッキンガムシャーにあり、一般公開されています。

ストウガーデン( Stowe Gardens )は、イギリス庭園の様式を代表する重要な例のひとつです。現在は、公園の一部と合わせてナショナルトラスト( National Trust )が所有および管理しています。

ストウガーデンにある
パッラーディオ様式の橋
出典 Wikimedia Commons
見取り図(1848)
出典 Wikimedia Commons

庭園の周囲に広がる緑地帯は一年中オープンしています。庭園への入場は一般客は有料、ナショナルトラスト会員は無料です。ストウハウスの建物に入るには別途の入場料が必要です。これらは、修繕費用に充てられます。

Visit the house at the heart of Stowe Gardens
Stowe House

基本情報とお役立ちリンク

種類パワーハウス
Power houses
スタイルバロック建築、新古典主義建築
Baroque ( English Baroque )
Neoclassical ( Georgian )
建築開始1677年
所有者屋敷:
庭園:ナショナルトラスト
所在地New Inn Farm, Buckingham MK18 5EQ, United Kingdom
ウェブサイトhttps://www.stowe.co.uk/house
1677-
1683
建築はじまる(現屋敷の中央部)
William Cleare | Sir Richard Temple
1720-
1733
東西南北のファサードの改築とポーチの増築
Viscount Cobham | Ionic North tetrastyle Portico | Vanburgh | William Kent
1740-
1760
西棟と東棟の増改築
1770-
1779
南面を新設し、北面を改築、ステートルームの内装を整える
Earl Temple | Jacques-François Blondel | Robert Adam | Thomas Pitt | Giovanni Battista Borra | Vincenzo Valdrè | Giacomo Leoni
c.1900
-1910
エジプト風ホールが北ポーチに隣接して作られる
1989 ストウガーデンと緑地の一部がナショナルトラストに託される
National Trust

ストウハウスと庭園は、映画やドラマ、その他の番組の撮影にも使われています。1998年放送のBBCドラマ『虚栄の市( Vanity Fair )』では、当時のロンドンのハイドパークを表現するために、この庭園を使用しました。

※ 虚栄の市( Vanity Fair )…サッカレーの長編小説。19世紀初頭のロンドンを舞台に、上流を目指す富裕層社会に生きる人々を諧謔と諷刺に富んだ文章で描き痛烈に批判。作者自身の挿絵が挿入され、また作者自身が作中に登場するといった手法がとられている。

外部リンクストウ・ハウス|木島タイヴァース由美子ブログ
抜粋文:ストウは風景ガーデンとしてイギリスでは最も有名なガーデンのひとつで、このブログでもこれまでに数回紹介させていただきました。特に我が家から車で30分の距離なので、友人やお客様をご案内する機会が多いのです。風景ガーデンは季節、天候によって全く違う景色や雰囲気になるので行くたびに新鮮な感じがします。

外部リンクストウ・ランドスケープ・ガーデン(イギリス庭園)|LIFE IN THE UK
抜粋文:土曜日、日曜日と夫の故郷巡りをした最初は、バッキンガム州に位置するストウ(Stowe)というイギリスの有名なランドスケープ・ガーデンです。

外部リンクStowe House
抜粋文:The gardens (known as Stowe Gardens, formerly Stowe Landscape Gardens), are a significant example of the English garden style, and, along with part of the Park, passed into the ownership of the National Trust in 1989.

YouTubeThe architectural development of Stowe House
抜粋文:With each generation the owners of Stowe wanted to leave their mark and outdo their predecessors by adding to his magnificent building. Watch the years roll by and the House gradually take its current form.

アップパーク・ハウス・アンド・ガーデン

Uppark House and Garden

アップパークハウス
出典 Wikimedia Commons

アップパークハウスは、一般公開されています。

イギリス指定建造物グレード I に登録されている17世紀築のお屋敷で、内装からは18世紀の生活がうかがえます。フランスの家具や、オランダの陶器、イタリアの絵画で装飾されている上階、そしてこれらとは対照的な使用人の宿舎も見学が可能です。ドールズハウスも見逃せません。

アップパークハウスは、イングランドのウェストサセックス、サウス・ハーティング( South Harting )にあります。現在はナショナルトラスト( National Trust )が管理しています。

(18世紀)A bird’s-eye view of Uppark in the early 18th century by Jan Kip. /
出典 Wikimedia Commons
Uppark House & Gardens | Explore prettiest dolls house & Vintage Kitchen
Lavish And Blissful Living

基本情報とお役立ちリンク

種類Minor country houses
スタイルBaroque ( English Baroque )
Neoclassical ( Georgian )
建築開始1690年頃
所有者ナショナルトラスト
National Trust
所在地South Harting, Petersfield GU31 5QR, United Kingdom
ウェブサイトhttps://www.nationaltrust.org.uk/visit/sussex/uppark-house-and-garden
1690タンカーヴィル伯爵フォード・グレイの屋敷として建築される
建築家は恐らくウィリアム・タルマン
Ford Grey ( Earl of Tankerville ) | William Talman
1747屋敷と敷地を初代準男爵マシュー・フェザーストンハウが購入
Sir Matthew Fetherstonhaugh
1750-
1760
現在見られる内装がデザインされ、主な収集品が揃った時期
一人息子のハリーもコレクションの追加や、増築、庭園の造作に貢献
Sir Harry Fetherstonhaugh | Humphry Repton
19世紀馬小屋とキッチンを別棟に新築し、トンネルで本館とつながる
182571歳のハリーが、21歳の酪農家の娘メアリと結婚
(ハリーは1846年に亡くなる)
Mary Ann Bullock
1874未亡人メアリがアップパークを最新に整えて亡くなり、屋敷と敷地を実妹フランシスに相続
Frances
メアリの妹フランシスが、遺産を友人2名に託して亡くなる
Keith Turnour 大佐 | Herbert Meade 提督
1931ミード提督の妻マーガレットが女主人となり、管理を続ける
1954アップパークハウスの所有と管理がナショナルトラストに委託される
1989深刻な火災が発生し、修復に5年を要し、1995年から再開

イギリスの家具や内装の歴史を知っておきたい方に「図説 英国のインテリア史」がお薦めです。時代ごとの様式や部屋の調度品が詳細なイラストとともに紹介されていて、わかりやすく楽しい一冊です。

外部リンクUppark House and Garden
抜粋文:The house, set high on the South Downs, was built for Ford Grey (1655—1701), the first Earl of Tankerville, circa 1690, the architect is believed to have been William Talman.

ワデスドンマナー

Waddesdon Manor

ワデスドンマナー 北面のファサード
出典 Wikimedia Commons

ワデスドンマナーはバッキンガムシャーのワデスドン( Waddesdon )にあるカントリーハウスです。かつての所有者は、かのロスチャイルド家です。1957年以降はナショナルトラスト( National Trust )が所有しており、ロスチャイルド財団( Rothschild Foundation )が援助しています。

お屋敷は一般公開されており、ナショナルトラストが所有する物件のなかでも特に人気のアトラクションのひとつとなっています。

南面のファサードと庭園
出典 Wikimedia Commons
モーニング・ルーム
出典 Wikimedia Commons

ワデスドンマナーハウスは、19世紀後半に建てられたネオルネッサンス建築です。イギリスの 銀行家 / 収集家 / 政治家 であったフェルディナンド・ド・ロスチャイルド( Baron Ferdinand de Rothschild )の週末の居所、および芸術や骨董のコレクションを展示保管する場所として使われました。

ロスチャイルド家が3代に渡って所有したこのお屋敷には、時代を下るごとに増え続けた世界規模のコレクションが今も収蔵されています。

Waddesdon Manor – The Inside Revealed
Ray Woods

基本情報とお役立ちリンク

種類ビクトリアンハウス
Victorian houses
スタイルネオルネッサンス建築
Renaissance Revival
Revivalism ( Victorian )
建築開始1877
所有者ナショナルトラスト
National Trust
所在地Waddesdon, Aylesbury HP18 0JH, United Kingdom
ウェブサイトhttps://waddesdon.org.uk/
1874フェルディナンド・デ・ロスチャイルドが、第7代マールボロ公ジョン・スペンサー=チャーチルからワデスドンマナー(農園)を購入
※この時点では建物はなかった
Baron Ferdinand de RothschildDuke of Marlborough
1877建築の基礎が敷かれる
1880-
1898
1880:ハウスパーティの開催
1883:屋敷の完成
毎年5月および9月:のちのエドワード7世ら大物ゲストも滞在
1890:ビクトリア女王が訪問
Edward VII | Queen Victoria
1898フェルディナンドが亡くなり、妹のアリスに物件を相続
Alice de Rothschild
1922アリスが亡くなり、フランス人の親戚ジェームスに物件と収集品を相続
ジェームスの亡き父エドマンドのコレクションが同屋敷に加えられる
James de Rothschild & Dorothy Pinto | Edmond James de Rothschild
1928屋敷で自由党の集会を開き、デビッド・ロイド・ジョージが演説
Liberal PartyDavid Lloyd George
第二次
大戦
ジェームス&ドロシー夫妻、ロンドン南部クロイドン区の5歳以下の幼児の疎開先として屋敷を提供
また、ドイツのフランクフルトから亡命してきたユダヤ人少年たちもここで匿う
Croydon
1957主人ジェームスが亡くなると、未亡人ドロシーはエイスロープに移り住み、屋敷とコレクションと敷地がナショナルトラストに委託される
1959ワデスドンマナーのハウスとガーデンの一般公開はじまる

世界規模の成金ロスチャイルド家については、金融の教養として、陰謀論の代表格として、その果てのゴシップなど様々な視点や目的で書かれた書籍が発売されています。ですが、もしあなたが現実的な視点から俯瞰できるオーソドックスな入門書を探しているなら、講談社現代新書の「ロスチャイルド家 横山 三四郎 著」がお薦めです。

発行年が1995年とやや古いのが難点ですが、増刷され続けている一冊で、ロスチャイルド家がどのような手法で経済的な大成功を収めたのか、歴史的事象にどのように関与していたのか、なぜ陰謀論のイメージが強いのか、などをまんべんなく知ることができます。ロスチャイルド家の結束力や立ち回りは、飾り立てずとも十分ドラマチックなので、飽きることなく一気読みできてしまう一冊です。

外部リンクWaddesdon Manor
抜粋文:The Grade I listed house was built in a mostly Neo-Renaissance style, copying individual features of several French châteaux, between 1874 and 1889 for Baron Ferdinand de Rothschild (1839–1898) as a weekend residence for entertaining and to house his collection of arts and antiquities.

YouTubeWaddesdon Manor @WaddesdonManorNT
抜粋文:Baron Ferdinand de Rothschild started building Waddesdon Manor in 1874 to display his outstanding collection of art treasures and entertain fashionable society. His choice of French chateau style, typical of the Loire valley, surprises many visitors. Rothschild Collections of the highest quality 18th-century French decorative arts are displayed alongside magnificent English portraits and Dutch Old Master paintings in over 40 elegant interiors.

外部リンクロスチャイルドのお城(1)フォト日記・初投稿 | Antique Jewellery HERITAGE
抜粋文:これはロスチャイルドの邸宅、ワデズドン・マナーです。所謂ロスチャイルドのイギリスのお城です。私がロンドンへ初の現地買い付けに行った5月と6月は、『The SEASON』と言われる貴族の社交の季節です。普段は天候に恵まれないイメージのロンドンが、1年で最も季節に恵まれ、街中に花が咲き乱れる時期です。

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参考文献

文中に記載の Wikipedia 各ページ
2023.03.03 時点
English Country House Explained (Britain’s Living History)
Countryside Books; New版 (2012/6/11)
カントリーハウス【ロンドン近郊編】
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